「キャンプに無線機持ち込んでQRV出来たら楽しそうだぞ〜」 とか話を聞きます
だけど、サイトが狭かったりすると近所迷惑だろーなぁ
夢中になってCALLかけてると本人気付かなくて顰蹙買うだろうし
家族連れでキャンプ楽しむ人が多い、子供は疲れて寝込んでるのにいい大人が
でっかい声出しているのはかっこ悪いな
イギリス(スコットランド)の理論物理学者マックスウェルって人が数式で予言した電波の存在をドイツ物理学者のヘルツと言う人が実験で共振現象を確認し電波の存在を立証しました。このときの実験装置はドイツ・ミュンヘンのドイツ博物館に展示してあるそうです。
なんとなく名前は聞いたことのあるマックスウェルの方程式ですが、電波の存在を予測する方程式と言われています。方程式が電波を予測するってどうゆう事?って疑問が湧いてきます。
ちょっと調べてみました。
YouTubeに判り安い説明がありました。なんとなくそうなのかなぁ〜 程度の理解ですが
https://www.youtube.com/watch?v=oO-xgxkzmVc
要するにマクスウェルの方程式はガウスの方程式(1)とファラデーの方程式(3)、アンペールの方程式に時間変化を加味してアンペール・マクスウェル方程式(4)として考えたとき
(2)は磁界に単極は存在しないという意味を示すガウスの方程式
3つの式から時間による変化(δt、t)を取り払うと磁気と電流の相関関係が起きないため
静磁界となりローレンツ力が働かないことになります。
つまりコイルの中を磁石が移動するような磁界の変化によりコイルに電流が発生するように
逆にコイルに交流で発生させた磁界はその時間の変動によりコイルの周りに変動磁界生じさせる事になることを表しています。
さて、コンデンサは直流電流では絶縁ですが、交流電流は通過させる働きがあることからコンデンサの極の空間においても電荷の移動により導体と同じ様に極間の空間にも変動磁界が生じることを想像(予測)しました。
空間の変動磁界の存在を放電現象で実証したのがヘルツの実験でした。
ところがマックスウェルの方程式からは変動磁界の予測は出来るのですが、実際の電波伝搬となると本来形状に関係なく放出されるはずの電気力線は電極の形状に大きく影響されます。
いかに効率よく電気力線を放出/収集出来るかがアンテナ工学の肝です。
ヘルツの実験装置
壁側の巨大なコイルとサッカーボール大の球に導体で中央の小さな玉に接続され2つの玉の間に隙間が見られる
コイルで発生した磁界を大きな球体部で同調させ中央の珠の間で放電現象が確認される構造のようです。
ヘルツ・ダイポールと呼ばれます。
電波法の電波の定義
(定義)
第二条 この法律及びこの法律に基づく命令の規定の解釈に関しては、次の定義に従うものとする。
一 「電波」とは、三百万メガヘルツ以下の周波数の電磁波をいう。
二 「無線電信」とは、電波を利用して、符号を送り、又は受けるための通信設備をいう。
三 「無線電話」とは、電波を利用して、音声その他の音響を送り、又は受けるための通信設備をいう。
四 「無線設備」とは、無線電信、無線電話その他電波を送り、又は受けるための電気的設備をいう。
五 「無線局」とは、無線設備及び無線設備の操作を行う者の総体をいう。但し、受信のみを目的とするものを含まない。
六 「無線従事者」とは、無線設備の操作又はその監督を行う者であつて、総務大臣の免許を受けたものをいう。
電波の分類
電波法により電波は以下のように分類されています。
ということは3THz以上の電磁波は自由に使って良いと言う事になります。
もっとも、こんな高周波ほとんど光に近くて並の技術じゃとても扱えない
表皮効果で、もはや導体にさえほとんど流れてくれない。
電波を考える上で最も重要なのは共振回路の存在です。
アンテナの効率最大点、ラジオのチューニングは結局共振回路です。
共振回路に直列共振と並列共振があり、それぞれ特徴があります。
直列共振
直列共振回路
純抵抗
R
コイル
L[H]
XL
E[v]
f[Hz]
コンデンサ
C[F]
XC
コイル、コンデンサを直列(シリース)に接続された回路を直列共振回路といいます。
英語で Series resonant circuit と書きます。
共振点で抵抗値が最小になりますので、電流値が最大に成ることが特徴です。
共振回路の共振点は回路のコイルのインダクタンスとコンデンサのキャパシタンスに対して周波数で決まります。
それぞれのリアクタンス(周波数依存の抵抗値)を算出します
ωは角周波数で2×π×周波数(Hz)です。
直列共振回路のインピーダンスZは
この式の虚数部が、
になると共振点で、純抵抗分Rのみの回路になります。
また共振周波数より周波数が高い場合電圧より電流が遅れるため回路がL性(誘導性)、低い場合はその逆で電圧は電流より遅れるためC性(容量性)となります。
共振周波数特性のピークの鋭さを表す値をQ値といい、
共振点の周波数に対し1/√2になる周波数の比がQになります。
抵抗Rの両端に現れる電圧のQ値倍の電圧がL、Cの両端に現れます。
直列共振回路ではCに対してL分が多い回路はQが大きくなるので耐圧など注意が必要になります。
並列共振
並列共振回路
コンデンサ
C[F]
XC
コイル
L[H]
XL
コイル、コンデンサを並列(パラレル)に接続された回路を直列共振回路といいます。
英語で Parallel resonant circuit と書きます。
共振点で抵抗値が最大になりますので、電流値が最小に成ることが特徴です。
共振回路の共振点は回路のコイルのインダクタンスとコンデンサのキャパシタンスに対して周波数で決まります。
それぞれのアドミッタンス(周波数依存の抵抗値の逆数)を算出します
ωは角周波数で2×π×周波数(Hz)です。
並列共振回路のアドミッタンスYは
になると共振点で、インピーダンス最大の回路になります。
リアクタンスは直列のときと同じ様に周波数が低いとXCのほうが小さくなりますが並列回路ではコイル、コンデンサとも常に同じ電圧に成るため合成したときにC側に流れる電流のほうがLより大きくなるため回路はL性になります。
共振周波数特性のピークの鋭さを表す値をQ値といい、
直列共振回路と反対の特性になります。
共振周波数でC,Lに流れる電流が最小に成るのでRに対しての無駄が少なくなります。
当たり前だけどQの大きさはRが大きいほど高くなります。
共振周波数
共振周波数の公式は直列共振、並列共振とも同じ式です。
電流、電圧の位相が一致した時、共振状態という意味においては直列共振回路も並列共振回路も同じ周波数になるからです。
intelli-Calcを使うと便利です。(iPhone Application)
算術式設定画面
LとCの組み合わせで共振周波数を算出することはもちろんのこと、共振周波数を決めてLやC値を逆算することが出来ます。
Titleは分かりやすいように”共振周波数の計算”とか...
Formula String(公式)に、共振周波数の公式を入力します。
共振周波数=$1/($2*PAI*(Sqrt(キャパシタンス*インダクタンス)))
そして式は自動的に解析され、
$の付いた数値は固定値で、=、PAI、Sqrt、*、/は予約文字(演算子)
それ以外の共振周波数、キャパシタンス、インダクタンスは変数として認識されます。
基本の順計算です。
キャパシタンス=0.1uF
インダクタンス=0.01uHの
この共振周波数を算出します。共振周波数はClearで値なし(???)にし、変数一覧画面を下フリックすると計算が開始され共振周波数を算出します。
*:下フリック(画面を押しながら下に指で払う)
共振周波数を10MHzにし、インダクタンスは0.01uHのままキャパシタンスを求めます。
共振周波数とインダクタンスをそれぞれ合わせ
キャパシタンスをClear(???)して変数一覧画面を
プルダウンするとキャパシタンスが算出されます。
計算前は消灯電球マークが計算後点灯マークに変わり、計算位置の変数はコーヒーカップ表示です。
同様に共振周波数を7MHzにキャパシタンスを
0.025uFにしたときのキャパシタンスも計算できます。ちなみに、共振周波数の7MHzですがM(10^6)とHz(単位)を共振周波数の入力画面で予め設定しています。同じ様にインダクタンス、キャパシタンスのuH、uFもマイクロ(u)10^-6とH,Fを設定しています。間違えやすい単位変換が不要です。
intelli-Calc
iPhone Application
同じ変数が複数箇所で使われている式はその変数の穴埋め計算は出来ませんが、
割り勘の計算から設計計算など様々な用途で利用できる不思議な電卓アプリです。
入力した式は保存されます。
アンテナの放射という仕事量は抵抗に電流を流したときに発熱するという仕事量に類似していて
置き換えて計算することが出来るようです。
もっと簡単にそれらしい算出方法がないか調べてみました。
出来ます。ちょっと見たけどわけわからん!? 興味のある方はDownLoadしてみてください。
結局の所、どこまで電波が飛ぶかという問題はどうにか数値化で答えを得たいものです。
しかし、電波は電離層反射、山脈反射、大地反射...到達方法が様々で一筋縄では解決できません。
一方、電波の強さという概念なら自由空間という限定環境で数値による推測が出来そうです。
オームの法則の基本ですが無線機とアンテナについても
同じ様な事が言えます。
アンテナの場合”r”に当たるのが放射抵抗値です。
とは言っても導体に電流を流す簡単な計算と勝手が違う様で、電界と磁界は位相が90度ずれているし空間には固有インピーダンスとか言うものがあったり....どうやら
空間に散った電磁波を積分するみたいな計算方法に成るようです。
ちなみに空間インピーダンスは固定値で約377Ωだそうです?!
正しくは放射電力を使って放射抵抗を算出すべきですが、いかんせん大変なので
理想アンテナは投入電力=放射電力なので投入電力を用いて算出します。
実際にはケーブルロスやSWR値により投入電力の90%ほどで算出するのが良さそうです。
微小ダイポールアンテナ(波長より短いアンテナ)の電界強度計算は
長さ: [m]
電流: [A] [V/m] です。
距離: [m]
長さ は電流分布が同じ(均衡がとれている)とした時のアンテナの長さで定義される実効長で
1/2λのダイポールアンテナは
ポインチング電力の式は
電界強度の式をポインチング電力の式に代入して全空間にわたって積分すれば
アンテナからエネルギーが空間に放出される現象を電力として捉える場合に、
電力はこの放射抵抗で消費される言わば熱エネルギーに相当します。
この関係はオームの法則そのものです。
アンテナ自身には導体抵抗や接地抵抗、共振部分の無効電力などがあります。
導体抵抗は高周波になればなるほど大きくなりSHFでは無視できない値になります。
ミリ波、マイクロ波は同軸ケーブルでは伝達できなくなり導波管が用いられます。
放射抵抗は電界強度の式からポインチング電力(自由空間上のある点における電力)の式を
空間にわたって積分して放射電力を求めオームの法則に則って放射抵抗を求めます。
[V/m] です。
放射抵抗
これらを基に放射電力の式を考えてみます。
放射抵抗はアンテナの種類により放射抵抗Rvが決まっています。
1/2λダイポールアンテナ:約 73.13Ω
1/4λ垂直接地アンテナ:約 36.57Ω
電界強度の計算
最大放射方向(
) 放射電力P[W]、距離 d [m] の電界強度 E [V/m] は、
intelli-Calcを使うと便利で〜す。(iPhone Application)
投入電力の90%を放射電力として距離をパラメータにして
1/2λダイポールアンテナの電界強度を算出します。
算術式設定画面
Titleは分かりやすいように”1/2λダイポールアンテナの電界強度の計算”名前を付けます。
次にFormula String(公式)に、共振周波数の公式を入力します。
電界強度=($7*Sqrt(投入電力*$0.9))/(距離)
画面を戻す(< Back)と式は自動的に解析され、変数一覧画面になります。
$の付いた数値は固定値、=、Sqrt、*、/は予約文字(演算子)
それ以外の電界強度、投入電力、距離は変数として解析し認識されます。
最初な数値が入っていないのでそれぞれ
電界強度=???[V/m] ・・そのままです。
投入電力=100[W]・・入力します。
距離=5[km] kは10^3のkを追加し
mは単に文字の添字です。
このパラメータで電界強度を算出します。
変数表示画面で画面を下フリックして計算実行
0.0132816 V/mと見にくいので
ミリボルト単位にすることにします。
Edit画面でm(10^-3)を追加します。
表示は[mV/m]になります。
これで答えは1000倍の値で表示します
一旦、電界強度の値をCLEAR(???)にして
計算実行すると再計算が行われます。
電界強度を10[mV/m]に変えて
距離が5[km]のときの投入電力を逆算します。
今度は電界強度が10[mV/m]で
投入電力 100[W]のときの距離を逆算します。