天体観測と望遠鏡と双眼鏡と観測グッズ
経儀台架台のように鏡筒を支え任意の向きに鏡筒を向ける装置ですが
赤経軸があり軸は天の極軸で固定します。(北半球では北極、南半球では南極)
これにより地球の自転に合わせ鏡筒を回転させ星を追尾する事ができます。
赤経軸は手動で動かす事も出きますがモータードライブで自動追尾するのが主流です。
また赤道儀には赤経環をと赤緯環が有るので星座表の赤道座標系から手動でも導入することが出来ます。
鏡筒が赤経軸中心に反転するのでニュートン式の鏡筒では鏡筒も回転させないと接眼部が
赤経軸側になってしまい不便です。鏡筒を回転させる際に極軸アライメントが外れない様するのが大変です
赤道儀は写真撮影用途と割り切って考えた方が良いかもしれません。
一昔前からカメラ専用の赤道儀が発売されていてータブル赤道儀とか呼ばれています。
カメラ専用のものから小型の鏡筒を取り付けられるものまで多様です
さすがに望遠レンズでは心持たないですが100mm程度の望遠ならそこそこ撮れるようですから
インターバル撮影(タイムラプス)を併用すれば面白い写真が撮れそうです。
海外のメーカーにはよくフォーク型赤道儀が見受けられます。
ドイツ式は可動範囲に対して空間占有が大きくなるので望遠鏡を収納する容器(ドーム)が大きくなりますし、バランスウエイトも巨大化するので超大型の望遠鏡でドイツ式はありません。
小型〜中型機種ではのMEADE,CELESTRONが有名です。 日本では大型設備で専門メーカーがあります。
天頂付近の観測ではドイツ式に比べ扱いやすい構造です。
簡単に経儀台としても使えるのが特徴です。
赤道儀として使用する場合は別売の”ウェッジ”を脚部と台座の間に入れて水平軸で極軸を作ります
(写真右の望遠鏡は水平部に傾斜角を作れる構造です。)
更にドイツ式と比べバランスウエイトが不要な事も大きな特徴です。
一見すると格好も良いです ただ鏡筒が重いと強度の問題があります。
汎用性ではMEADE,CELESTRONのフォーク型望遠鏡は鏡筒と赤道儀が一体式ですから
その鏡筒専用という事になります。
(片持ちのものもありそちらは汎用性があるのかもしれません)
機動性では中口径でも鏡筒+赤道儀で20kgを超えていますからこれを三脚に乗せるとなると
一人ではきついかもしれないです。
三脚との取り付け部分にガイド等の工夫があるかが優劣ポイントになると思います。
フォーク型赤道儀
ドイツ式赤道儀
小型で汎用性の高い赤道儀なので玩具クラスの望遠鏡から本格写真撮影用までバリエーションの豊富な赤道儀です。鏡筒と赤道儀の接続部は規格化されたアダプターを介して接続されるので複数の鏡筒で共有ができて便利です。(メーカー互換性は確認する必要があります。)
ニュートン式の鏡筒の場合接眼部を回転する必要が有るので鏡筒は鏡筒バンドで固定します。
一部の赤道儀では赤経軸を90度に起こして経儀台として使用することが出来る機種もあります。
難点としては天頂付近に鏡筒を向けると鏡筒が三脚に干渉しやすく子午線をまたいで
視線移動する場合は一旦反転する必要がある事です。
昔の自動導入では子午線を超える場合正確に導入出来ませんでした。
また経儀台の様にX−Yの様な動きが出来ないので天頂付近に鏡筒の方向を合わせる時悩む事が有ります。
この辺りはフォーク式でも同様です。
うっかり鏡筒で無理な方向に力を入れてしまい極軸のアライメントが狂ってしまうことがあります。
機動性ですが脚部、赤緯部、バランスウエイトに分解出来るので収納等は良い方ですが、
大型の赤道儀になると赤経部だけでも10kg超えるのものあるので取り扱い注意です。
組み立ての際、バランスウエイトは注意しないと足の上に落として怪我することが有るので
ウエイトシャフトのエンドロックを忘れない様にしましょう
機種によっては簡単なビス留めのものも有るので可能な限りノブ付きのビスと交換することをお勧めします
昔の赤道儀には微動調整用に30cmほどのフレキの付いたノブが有りました。
握っている分には良いのですが手を離すとブラブラ揺れます
この揺れが赤道儀全体に伝わり星がボウフラみたいに見えました。
赤道儀選定の要件として強度も重要です。鏡筒が乗った状態で鏡筒の先端か末端を指で軽く押してみて
いつまでも揺れが収まらない機種は使用に耐られません。
NJP型
EM-200型
赤道儀の極軸を望遠鏡を使って修正する方法です。
予め台座の水平が正確に
1.暗視野ガイドアイピース(覗くと十字線のあるガイド専用アイピース)を準備します。
ガイド用の星を選んでその移動具合から軸を調整します。
2.極軸高度の調整
2-1:極軸高度の調整にはバランスウエイトが真下に来る所で望遠鏡も平行の位置付近で見える明るい星
2-2:追尾を止めて星の移動が移動する方向が西その反対が東、垂直方向に南と北に十字線を合わせる
2-3:北に星が異動する場合は極軸が高いので下げる、南に異動する場合は上げる。
3.極軸左右の調整
3-1: 極軸左右の調整にはバランスウエイトが水平に来る所で望遠鏡も平行な位置付近で見える明るい星
3-2: 追尾を止めて星の移動が移動する方向が西その反対が東、垂直方向に南と北に十字線を合わせる
3-3: 北に星が異動する場合は東方向に、南に異動する場合はに西方向に調整する。
ドイツ式赤道儀の極軸調整方法
予め台座の水平、極軸が正確に合っていることが必要です。
赤道座標系のある星図を準備します。
位置のわかる星(例えばさそり座のアンタレスは赤経:16h29m24s 赤緯:-26°25’55”)を視野の中心位置に導入して赤道儀の目盛環を星の座標に合わせます。
(極軸の目盛環は赤経で、バランスウエイトシャフトの軸が赤緯です。)
次に目標の星(星雲)の座標から現在の座標を引き算します。(°の桁以外が60進数なので注意)
この時赤経差がマイナスなら西方向へ、赤緯でマイナスなら南側の所に有ることがわかりますのでクランプを緩めて位置を合わせます。
赤道儀の機種により目盛環の表示が異なり小型の赤道儀では赤緯は10mごと、赤経は2°ごとのようです。
英語では 赤経:RA 赤緯:DEC と表記しています。
赤道儀の目盛環で赤経は自動追尾に連動しますが、赤緯の方は望遠鏡の取り付けに合わせる必要が有るので
実際の読み値とは異なる場合があり赤道儀によっては調整出来ない構造の製品も有るので目盛環を多用する場合は注意が必要です。
目盛環(赤経、赤緯)による導入方法
赤道儀は日周運動の速度で自動追尾したり自動導入のある赤道儀はその数百倍の速度で動作します。
日周運動している時の赤道儀はほとんど動いている様には見えません。
赤道儀の微動つまみが連動して回転する機種ではつまみに触れると動作している事が分かります。
この様に速度差が大きいのでモーターは高性能の物が選定されます。
一般に駆動モーターはDCモーターかパルスモーターに成るわけですが、DCモーターは低速でトルクが小さく
ある程度の回転数を維持する必要からギア駆動でトルクを稼ぐ構造になり動作音が大きくなります。
パルスモーターは低速でも十分なトルクが有りますが反面、高速で回転すると脱調する恐れがあります。
またパルスモーターは低速ではパルス制御から微振動が出ます。
ACサーボモーターを使用すれば低速から高速まで安定したトルクが得られますがAC電源が必要なことやDC系のものに比べ大きく小型赤道儀には向きません。
赤道儀の駆動
天文台の設備
200-inch (5.1-meter) Hale Telescope
ヨーク+ホースシュー型赤道儀
パロマ天文台サイトより
赤道儀の精度
赤道儀は写真撮影を念頭に考えると超微動の条件で高精度が要求される超高精密製品です。
高倍率で星を追うと赤道儀の性能が露見します。
近年はガイド機能が良くなって補正ができるようになりましたが、ギアにガタが有ったりギアの製作精度が低いとまともな写真には仕上がりません。
メーカーでは高精度で有名な高橋製作所や三鷹光器製作所が有名です。昔はニコンやペンタックスも製品を出していましたが近年製品は出していません。中古市場には有りますが新品当時の性能があるのか心配です。
天体望遠鏡専門の中古業者なら良いアドバイスが貰えそうです。
ギアの評価ではピデオディックモーションという評価が有り赤緯軸の大型ギアが回転する際にどれだけブレて回転するかを指します。ギア歯の製作精度や軸の中心ブレなど様々な要因によって発生します。
これは簡単には測れませんがメーカーによっては値を保証したり実機のデータを添付してくれるところもあります。また誤差はウォームギア1回転の誤差を繰り返す傾向にあるためこの誤差を記憶して自動的に補正する機能(PEC)を持ったコントローラーも有ります。
モールスアプリ intelli-Morse
モールス信号を学習する機能をコンパクトなiPhoneに実現しました。
通勤の移動中にも学習することが出来ます。
モールス信号音をマイクで拾って文字列に復調することも出来ます。
この機能にはFFTを使ったフィルター機能があり混信時に複数の信号音から選別します。
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iPhone Application
Production PR
赤道儀